地震や大雨のニュースがあるたびに、「いざとなったらどこへ逃げればいいんだろう」と思いながら、結局そのままにしている方も多いのではないでしょうか。
地域情報メディア『奈良シカノオト』でエリア担当ライターをしているアキヒロです。奈良市在住で、普段は接骨院の院長として市内を車で動き回っています。自分でも「いざとなれば近くの公園に逃げればいい」と思っていたのですが、改めて整理してみると、場所によって対応できる災害の種類が違うことに気づきました。
この記事では、奈良市が指定している一時避難場所と広域避難場所を、災害の種類ごとに整理します。「避難場所」と「避難所」の違いについても触れますので、外出先や自宅の近くを確認する際の参考にしてください。
「避難場所」と「避難所」は別のものです
この二つ、同じように聞こえますが役割がかなり違います。「避難場所」は危険から逃げるための場所で、「避難所」はその後しばらく生活するための場所です。
たとえば大地震のあと火災が広がったとき、まず向かうのが一時避難場所や広域避難場所です。そこで生活するわけではなく、身の安全を確保するための一時的な退避先になります。
自宅が倒壊したり、しばらく帰れない状態になったりしたときに使うのが「避難所」(指定避難所)で、小中学校の体育館や公民館などが開設されます。今回の記事で扱うのは、前者の「避難場所」の方です。
一時避難場所と広域避難場所、何が違うのか
奈良市が指定している「指定緊急避難場所」には、一時避難場所と広域避難場所の二つの区分があります。
- 一時避難場所
-
建物の倒壊や延焼火災などの危険から一時的に身を守るために避難する場所です。近隣公園や小学校のグラウンドなどが指定されています。奈良市では11か所が指定されています。
- 広域避難場所
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地震などによる火災が広い範囲に延焼し、地域全体が危険になったときに避難する場所です。奈良公園や鴻ノ池運動公園、平城宮跡などの広い空間が指定されています。奈良市では5か所が指定されています。
一時避難場所11か所の名称と住所
奈良市が公式ページで公開している一時避難場所は、2026年4月1日更新時点で以下の11か所です。場所ごとに、洪水・土砂災害・地震・大規模災害への対応可否が示されています。
| 名称 | 住所 | 洪水 | 土砂 | 地震 | 大規模 |
|---|---|---|---|---|---|
| 青山近隣公園 | 青山三丁目2 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 柏木公園 | 柏木町255番地の1 | × | ○ | ○ | ○ |
| 大渕池公園 | 中山町西一丁目839-1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 登美ヶ丘近隣公園 | 北登美ヶ丘一丁目1761番地の1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 中登美ヶ丘近隣公園 | 中登美ヶ丘三丁目6番 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 平城第3号近隣公園 | 右京三丁目18番地 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 平城第2号公園 | 朱雀二丁目12番地 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 平城第1号近隣公園 | 左京二丁目1番地 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 佐保山近隣公園 | 佐保台二丁目902番地の374 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 西大寺近隣公園 | 西大寺東町一丁目72番5 | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 古市公園 | 古市町98番1 | ○ | ○ | ○ | ○ |
柏木公園だけ洪水の対応が「×」になっています。地震や土砂災害には対応していますが、洪水のときには別の場所に向かう必要があります。自宅や職場の近くに柏木公園がある方は、洪水時の避難先として別の場所もあわせて確認しておくと動きやすいです。
広域避難場所5か所の名称と住所
広域避難場所は奈良市内に5か所あり、いずれも4つの災害区分(洪水・土砂災害・地震・大規模災害)すべてに対応しています。
- 奈良公園(避難事務所:県庁前)/登大路町
- 鴻ノ池運動公園(避難事務所:鴻ノ池陸上競技場)/法蓮佐保山四丁目5番1号
- 平城宮跡(避難事務所:遺構展示館)/佐紀町
- 奈良国際ゴルフ倶楽部(避難事務所:クラブハウス)/宝来五丁目10-1
- 飛鳥カンツリー倶楽部(避難事務所:クラブハウス)/二名七丁目1441
広域避難場所は名前の通り、広い敷地をもつ公園やゴルフ場が指定されています。観光地として知られる奈良公園や平城宮跡も含まれているので、外出先や通勤途中に場所を確認しておきやすいかもしれません。
災害の種類によって向かう場所が変わります
避難場所の一覧を見るときに押さえておきたいのは、「どの災害に対応しているか」です。○がついていても、その災害の種類でなければ向かう場所として指定されていません。
たとえば台風や大雨による洪水が心配なときと、地震のあとの火災延焼が心配なときでは、向かうべき場所が変わる場合があります。表を見るときは、今どんな状況なのかを先に確認してから、対応している場所を選ぶ流れで見てください。

対応が○でも、当日の状況によっては使えないこともあるので断定できません
一覧で確認できることと、まだ分からないこと
奈良市公式ページの一覧(2026年4月1日更新)で確認できるのは、各場所の名称・住所・災害種別ごとの対応可否です。
一方で、実際の災害時に開設されるかどうかは、一覧だけでは分かりません。避難場所の開設状況や利用可否は、災害の規模や進行状況によって変わります。いざというときは奈良市の公式情報や緊急情報を確認することが前提になります。
通勤・外出先の近くも見ておくと動きやすい
災害はいつも自宅にいるときに起きるとは限りません。職場や外出先の近くに一時避難場所がどこにあるか、ざっと確認しておくだけでも違います。
わたし自身、車で動くことが多いので、いざとなったらどこに逃げるかは頭の片隅にあります。奈良市内の一時避難場所は平城ニュータウン周辺に集まっているので、その近くで仕事や用事がある方は確認しやすいエリアです。
奈良市公式ページで確認しておきたい点
記事化前に奈良市の公式「避難所情報」ページを確認したところ、一覧の更新日は2026年4月1日でした。ただし、指定状況は変更になる場合があります。
奈良市公式「避難所情報」ページにアクセスし、一時・広域避難場所一覧のPDFが最新版かどうかを確認します。
一覧の名称と住所をもとに、自分がよく行くエリアに対応している場所を確認します。洪水か地震かで向かう先が変わる可能性があるので、災害の種類もあわせて見ておきます。
実際に避難が必要なときは、一覧だけでなく奈良市が発信するリアルタイムの避難所開設情報を確認してから動くようにします。
観光や外出前にも場所だけ見ておけます
奈良市には観光客向けの避難所マップも日本語・英語・中国語・韓国語で用意されています。市内を観光する前や、久しぶりに訪れるエリアに出かける前でも、近くの広域避難場所の名前だけ見ておくと、いざというときに動きやすいです。
わたしも患者さんに「外出先で地震があったらどこへ」と聞かれたとき、奈良公園や平城宮跡の名前をすぐ出せるようになりました。場所の名前を知っておくだけでも、気持ちが少し落ち着きます。
まず自宅の近くを一か所だけ確認してみてください
今日のすきま時間に、奈良市公式の「避難所情報」ページを開いて、一時避難場所の一覧から自宅に近い場所を一か所だけ確認してみてください。住所を見ながらGoogleマップで場所を確認するだけで、ずいぶん具体的になります。
わたし自身も今回あらためて見直して、柏木町エリアは洪水対応が×だということに気づきました。「なんとなく公園に逃げれば大丈夫」ではなく、どの災害に備えるかで向かう先が変わるということは、知っておいて損のないことです。
自宅だけでなく、勤め先の近くや、よく行くエリアについても、少しずつ確認できると動きやすくなります。みなさんのペースで、一か所ずつ見ていただければと思います。













